行政書士
佐野 雅彦
行政書士事務所ACTION代表。
IT受託会社の借入・返済・追加融資・資金繰りを一体で見ながら、
その場しのぎではない資金の整え方を支援しています。
地方公務員として25年間、制度運用と相談対応に携わった経験を踏まえ、
現在は、返済を続けながら次の借入や投資を進められるかという視点で、記事監修と実務支援を行っています。
このページでは、IT受託会社の経営者に向けて、借入・返済・追加融資・投資判断まで見据えた資金戦略の実務情報を掲載しています。
[2.資金戦略の基本原則]
この制度は、たとえば学生が部活動で毎月の練習記録と体調チェックをして、けがや不調の兆しを早めに見つける仕組みに少し似ています。
大きな問題が起きてから動くのでは遅いことがあります。
会社も同じで、お金の流れが苦しくなってから慌てるより、毎月の数字を見て、少しずつ変化をつかむほうが立て直しや支援につながりやすいのです。
中小企業庁は、この制度を、経営状況の変化の予兆を早期に把握し、必要な支援を行える体制をつくるための保証制度として案内しています。
「モニタリング強化型特別保証制度」は、中小企業が銀行などから事業のお金を借りるときに使うことがある制度です。
ここでいう信用保証とは、中小企業が金融機関から融資を受ける際に、信用保証協会がその借入れを保証する仕組みです。
中小企業庁は、信用保証協会の保証を「中小企業が金融機関から融資を受ける際、信用保証協会が債務保証をする制度」と説明しています。
つまり、この制度は「会社が借入れをすること」と「毎月の確認と報告を行うこと」がセットになった仕組みだと考えると分かりやすいです。
この制度の大事な点は、お金を借りることではありません。
会社の状態を毎月見て、危ない変化を早めに見つけることが重要です。
中小企業庁の資料でも、月次で財務状況や資金繰り状況を把握し、金融機関や保証協会に報告することで、支援者が連携して必要な支援を行える体制をつくる、とされています。
まず会社です。
この制度を使うのは中小企業や個人事業主です。
次に銀行などの金融機関です。
会社から相談を受け、お金を貸し、報告書も受け取ります。
さらに信用保証協会が関わります。
信用保証協会は、会社が金融機関から融資を受ける際に保証を行う公的な仕組みの担い手です。
もう一人の大事な登場人物が認定経営革新等支援機関です。
名前は長いですが、国が一定の専門性や実務経験を認めた支援者です。
中小企業庁は、税務、金融、企業財務などの専門知識や支援の実務経験が一定レベル以上の人や法人などを認定する制度だと説明しています。
つまり、会社の数字や経営の相談に乗る、国が認めた専門家や機関です。
税理士や公認会計士、中小企業診断士、金融機関などが含まれることがあります。
対象になるのは、認定経営革新等支援機関と連携し、毎月、会社の数字や資金の流れを確認し、経営状況を報告することを約束した中小企業者です。
ここでいう資金繰りは、会社に入ってくるお金と出ていくお金の流れを見て、支払いが続けられるかを考えることです。
日本政策金融公庫の資料でも、資金繰り表は収入と支出の状態を表すものと説明されています。
つまり、利益が出ているかだけでなく、実際に使える現金や預金が足りるかを見る考え方です。
ただし、誰でも同じ条件で使えるわけではありません。
制度資料では、認定経営革新等支援機関が申込先の金融機関である場合、その金融機関からの総借入金残高のうち、保証のつかない融資残高の割合が5割以上であることが条件とされています。少し難しい条件ですが、これは金融機関自身もその会社をある程度直接支えているかを見るための条件だと読めます。
流れは、大きく4段階です。
まず、会社が制度を使いたいと考え、金融機関や支援機関と話します。
次に、認定経営革新等支援機関と連携して、毎月、会社の財務状況や資金繰り状況を確認すること、そして報告を行うことを誓約する書面を出します。
そのうえで保証付き融資の申込みを行います。
融資が始まった後は、毎月の確認が続きます。
月次管理表には、財務状況、資金繰り状況、資金繰り表、経営課題、対応策、今後の見通し、支援機関の所見などを書く形になっています。
これは単なる事務作業ではありません。売上が落ちた、支出が増えた、先々の現金が足りなくなりそうだ、という変化を早めに見つけるための土台です。
そして、原則として年1回、会社と認定経営革新等支援機関が一緒にモニタリング報告書を作り、会社が金融機関へ提出します。
ここでいうモニタリングは、むずかしく聞こえますが、要するに定期的に見守って確認することです。
報告書は信用保証協会へも金融機関を通じて共有されます。
さらに、今後6か月以内に資金不足が心配されるときなどは、追加で経営状況の変化に関する報告書を出す仕組みがあります。
分かりやすいメリットは二つあります。
一つは、保証限度額が2億8,000万円で、事業資金に使えることです。
返済期間は分割返済なら10年以内、一括返済なら1年以内です。
運転資金の据置期間は1年以内、設備資金と運転設備資金の据置期間は3年以内です。
会社にとっては、必要なお金を準備する選択肢の一つになります。
もう一つは、保証料の一部を国が補助する仕組みがあることです。
保証料とは、この保証を使うためにかかる費用のことです。
制度資料では、保証料率は0.45%~1.90%で、一定の期間に申込みをした場合、0.22%~0.95%に相当する額を国が補助するとされています。
つまり、会社が払う負担が少し軽くなる場合があります。
ただ、本質的なメリットは、ここでは別のところにあります。毎月の確認と年1回の報告によって、会社の異変を早めにつかみやすくなることです。
経営では、「赤字になったら危ない」のではなく、「お金が回らなくなったら危ない」場面があります。
だからこそ、この制度は単なるお金の制度ではなく、会社の状態を早めに把握して支援につなげる仕組みとして見るほうが、実態に近いと言えます。
まず、この制度は「申し込めば必ず使える制度」とは書かれていません。
公的資料で確認できるのは、資格要件、限度額、期間、報告の流れなどです。
したがって、「必ず借りられる」「必ず得をする」といった言い方はできません。
次に、保証料補助にも注意が必要です。
国の補助が明記されているのは、保証申込日が令和8年3月16日から令和9年3月31日までの場合です。
制度全体の取扱期限は令和11年3月31日までですが、その後の補助の有無や補助率は未定とされています。
つまり、「制度が続く」ことと「補助が同じ条件で続く」こととは同じではありません。
また、毎月の確認や年1回の報告は、ただの書類集めではありません。
中小企業庁の資料では、今後6か月以内に資金不足が心配されるときには追加報告が必要、とされています。
これは、問題が起きてから相談するのではなく、起きそうな段階で情報を共有して、支援の方向を考えるためです。
ここを見落とすと、この制度を「事業資金を安く借りる制度」とだけ理解してしまいますが、それでは制度の狙いを外してしまいます。
「モニタリング強化型特別保証制度」は、中小企業が資金調達をするときに使える保証制度の一つですが、中心にあるのは借入れそのものではありません。
毎月の確認、年1回の報告、必要に応じた追加報告を通じて、会社の変化を早めに見つけ、金融機関や信用保証協会、認定経営革新等支援機関が連携して支援につなげることに意味があります。
一言で言えば、「お金を貸す制度」ではなく、「会社の状態を見守りながら支える制度」です。
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2026/260302.htmlhttps://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2026/260302_01.pdfhttps://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2026/260302_03.pdfhttps://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2026/260302_05.pdfhttps://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2026/260302_09.pdfhttps://www.chusho.meti.go.jp/faq/faq/faq20_hoshou.htmlhttps://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/https://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/kei_qa_1403.pdfhttps://www.jfc.go.jp/n/service/pdf/shindanshi_20220720.pdf当事務所は、IT受託会社について、
借入後の返済、入金時期、人件費や外注費の支払い、採用予定などを見ながら、
借入、返済、採用、投資の判断をしやすくする支援を主に行っています。
そのため、次のような方に向いています。
・売上はあるが、手元のお金に不安がある
・借入だけでなく、返済や今後の採用までふまえて考えたい
・その場しのぎではなく、これから先の資金の流れを整理したい
・単発の答えではなく、経営判断に使える形で見直したい
一方で、次のようなご相談は対象外です。
・情報収集だけを目的としたご相談
・一度だけ答えを聞いて終わるご相談
・個人事業主の方からの一般的なご相談
・経理代行や事務処理の外注先を探しているご相談
初回面談は、オンライン60分・税込11,000円です。
初回面談では、
今の状況、ご相談の目的、借入や返済の状況を確認しながら、
何が今の資金負担になっているか
どの支援が合いそうか
を一緒に整理します。
まずは、対象に当てはまるかをご確認のうえ、お問い合わせください。
自分が対象か確認して問い合わせる
🍃ご相談方法について
◎現在、電話相談は承っておりません。
お手数ですが、問い合わせフォームからご相談ください。
24時間365日受付
対応地域
全国対応