全国対応|支援事例集

IT受託会社支援を中心に、 関連する支援も含めて、資金戦略を実務でどう組み立てているかをまとめた事例です。

[1.資金戦略・財務顧問事例]

IT受託会社の経営判断支援|税理士・社労士・金融機関への相談前に、社長の頭の中を整理したケース

税理士・社労士・金融機関に相談しても、最終判断に迷うことがあります。IT受託会社の社長が、借入・採用・外注・返済・資金繰りの論点を整理し、専門家への相談前に判断材料を整えた支援事例です。

IT受託会社専門|資金戦略を設計する行政書士・外部CFO型パートナー

専門家に相談したのに、結局どう決めればいいか分からないことがあります

税理士に相談する。
社労士に相談する。
金融機関に相談する。

どれも大切です。

ただ、経営の現場では、専門家に相談した後でも、社長がこう感じることがあります。

「言っていることは分かる」
「それぞれの意見は正しいと思う」
「でも、結局うちの会社はどう判断すればいいのか」

これは、専門家が悪いという話ではありません。

税理士には税務や数字の専門領域があります。
社労士には採用や労務の専門領域があります。
金融機関には融資判断の目線があります。

それぞれの専門家は、それぞれの立場から正しいことを言います。

ただ、その意見を会社全体の判断としてどうつなげるか。

ここで社長が迷うことがあります。

今回の事例は、IT受託会社の社長が、税理士・社労士・金融機関へ相談する前に、借入、採用、外注、返済、資金繰りの論点を整理したモデルケースです。

社長の頭の中で、借入・採用・外注・返済が混ざっていました

ご相談いただいた会社は、IT受託開発を行っていました。

売上は一定程度あり、既存顧客からの案件もありました。

ただ、社長の頭の中では、複数の悩みが同時に動いていました。

採用したい。
でも、人件費に耐えられるか不安。

外注を増やしたい。
でも、粗利が残るか不安。

追加借入を検討したい。
でも、既存借入の返済もある。

税理士に相談したい。
でも、何を聞けばいいか分からない。

社労士にも相談した方がよさそう。
でも、採用するかどうか自体を決めきれていない。

金融機関にも話した方がいいのか。
でも、どう説明すればいいか分からない。

一つひとつは、よくある悩みです。

しかし、同時に考えると、社長の頭の中はかなり複雑になります。

この状態で、いきなり「借りるべきですか」「採用してもいいですか」と聞いても、答えは簡単には出ません。

最初にしたのは、答えを出すことではなく、不安を分けることでした

支援で最初に行ったのは、答えを出すことではありませんでした。

まず、社長の頭の中にある不安を分けました。

お金の不安。
人の不安。
案件の不安。
返済の不安。
専門家に何を聞けばいいか分からない不安。

社長の不安は、決して感覚だけのものではありません。

現場を見ているからこそ感じる違和感があります。
資金の動きを何となく分かっているからこそ、不安になります。
人を増やした後の責任を分かっているからこそ、簡単には決められません。

ただ、その不安が頭の中にあるままだと、判断材料になりにくいです。

だから、まず言葉にする。
次に数字にする。
そして、相談先ごとに論点を分ける。

この順番で整理しました。

資金繰り表は、融資のためだけの資料ではありません

資金繰り表では、単に残高を見るだけではありません。

今後の入金予定。
外注費の支払予定。
給与や社会保険料。
既存借入の返済額。
税金の支払い。
採用した場合の固定費。
追加借入をした場合の返済額。
返済開始後の資金余力。

これらを並べて見ました。

ここで大切なのは、資金繰り表を「融資を受けるための資料」だけにしないことです。

もちろん、金融機関に説明する資料として使うことはあります。

ただ、本来は、社長が判断するための資料です。

借りるかどうか。
採用するかどうか。
外注を増やすかどうか。
案件を受けるかどうか。
返済が始まった後も耐えられるか。

これらを考えるために、資金繰り表を使います。

専門家に聞くことと、社長が決めることを分けました

次に、専門家へ相談する内容を分けました。

税理士に確認すべきこと。
社労士に確認すべきこと。
金融機関に相談すべきこと。
社長自身が決めるべきこと。

ここを分けることが大切です。

例えば、採用を検討する場合です。

社労士には、雇用契約、社会保険、労務管理などを確認する必要があります。
税理士には、人件費が利益や税金にどう影響するかを確認することがあります。
金融機関には、採用後の資金繰りや借入の必要性を説明する場面があります。

ただし、最終的に採用するかどうかを決めるのは社長です。

専門家の意見は大切です。

しかし、専門家の正論が、そのまま会社全体の最適解になるとは限りません。

税務上は問題ない。
労務上は注意が必要。
金融機関から見ると説明が必要。
資金繰り上は少し苦しい。
現場では人が必要。

これらをバラバラに聞くと、社長は最後に迷います。

「結局、どうすればいいのか」

だからこそ、専門家に相談する前に、論点を整理しておく必要があります。

問題は「相談先がないこと」ではなく「相談内容が混ざっていること」でした

整理してみると、この会社の問題は、相談先がないことではありませんでした。

税理士もいる。
金融機関とも付き合いがある。
必要であれば社労士にも相談できる。

それでも社長が迷っていたのは、相談内容が混ざっていたからです。

採用の相談なのか。
資金繰りの相談なのか。
借入の相談なのか。
外注費の相談なのか。
案件の受け方の相談なのか。
社長自身の判断時間の相談なのか。

ここが混ざったままだと、専門家から個別の正しい答えは返ってきても、経営判断としては整理しきれません。

「誰に聞けばいいか分からない」

この状態を減らすことも、経営支援の一つです。

12か月の資金繰りで、採用・外注・追加借入を比較しました

支援では、まず12か月の資金繰りを作成しました。

そのうえで、いくつかのパターンを比較しました。

採用した場合。
外注で対応した場合。
追加借入をした場合。
追加借入をしない場合。
案件を一部絞った場合。

それぞれについて、返済後の資金余力を見ました。

ここで見たかったのは、「できるかどうか」だけではありません。

続けられるかどうかです。

採用はできる。
でも、教育期間中の資金繰りに耐えられるか。

外注は使える。
でも、外注費の支払いが先に出る月に資金が薄くならないか。

借入はできる可能性がある。
でも、返済が始まった後に資金余力が残るか。

案件は受けられる。
でも、社長の時間を奪いすぎないか。

こうした疑問を並べて、社長が判断できる材料にしました。

専門家への相談内容を具体化しました

資金繰りを整理したうえで、専門家に確認する内容も分けました。

税理士には、試算表の確認、利益見通し、税金支払いの時期を確認する。

社労士には、採用時の労務条件、社会保険料、雇用契約まわりを確認する。

金融機関には、追加借入を検討する場合の資金使途、返済見通し、資金繰り表をもとに相談する。

ここで注意したのは、行政書士として専門外の内容を断定しないことです。

税務の判断は税理士。
労務の判断は社労士。
融資審査は金融機関。

それぞれの専門領域があります。

当事務所で行ったのは、それらの専門家に何を確認すべきかを整理し、社長が経営判断に使える形にすることです。

単なる紹介ではなく、相談する論点を整える。

ここが大切です。

自社でも、相談前にこの4つを分けてみてください

同じように迷っている場合は、専門家に相談する前に、次の4つを分けてみてください。

1つ目は、税理士に確認したいこと。

2つ目は、社労士に確認したいこと。

3つ目は、金融機関に相談したいこと。

4つ目は、社長自身が決めるべきこと。

この4つを分けるだけで、相談の質はかなり変わります。

専門家に聞くべきことと、社長が決めるべきことが混ざっていると、どれだけ相談しても最後の判断が重く残ります。

逆に、論点が分かれていれば、専門家の意見を経営判断に使いやすくなります。

まとめ

経営者の悩みは、一つだけではありません。

借入。
採用。
外注。
返済。
案件。
契約条件。
専門家への相談。

これらが同時に動いているからこそ、判断が難しくなります。

専門家に相談することは大切です。

ただし、その前に、何を聞くべきか、何を自分で決めるべきかを整理することも大切です。

資金繰り表は、そのための土台になります。

お金がいつ入り、いつ出ていくのか。
返済が始まった後、どれだけ余力があるのか。
採用や外注をした場合、どの月が苦しくなるのか。
専門家に何を確認すべきか。

これらが見えると、社長の判断は少し整理されます。

行政書士事務所ACTIONでは、IT受託会社の資金繰り表を起点に、借入、返済、入金、支払い、採用、外注、専門家への相談論点を整理し、社長が次の判断をしやすい状態をつくる支援を行っています。

税理士、社労士、金融機関に相談する前に、自社の論点を整理したい場合は、資金戦略診断としてご相談ください。

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