IT受託会社専門|資金戦略を設計する行政書士・外部CFO型パートナー
はじめに
「案件は増え、売上も順調に伸びている。……なのに、なぜか手元の資金に余裕がない気がして、夜も眠れない」
創業融資を経て拡大フェーズに入ったIT受託会社の経営者にとって、これは非常に切実な悩みです。
一見順調に見える経営の裏側で、多くの社長が「採用して大丈夫か」「外注に頼って資金は持つか」という漠然とした不安に苛まれています。
今回は、そんな「成長期特有のジレンマ」を抱えていたIT受託会社の社長が、数字の構造を整理することで、いかにして確信を持った経営判断を下せるようになったのか、その支援舞台裏をご紹介します。
1. 相談の背景:拡大期に潜む「IT受託特有の罠」
相談に来られた社長は、受託開発を中心に事業を急拡大させていました。
案件数は増加傾向にあり、一見すると順風満帆。
しかし、社長の頭の中には「このままアクセルを全開にして、本当に大丈夫なのか?」という、消えない違和感がありました。
IT受託というビジネスには、特有の構造的リスクが存在します。
- 「支払いが先、入金が後」: 給与や外注費は毎月出ていく一方、売上の入金は納品・検収を経て数ヶ月後になる。
- 黒字でも資金が足りなくなる: 現場の努力で利益が出ていても、検収が1か月遅れるだけでキャッシュフローが一気に悪化する。
「売上が増える=資金が楽になる」とは限らない。この構造に気づいたとき、社長の「なんとなくの不安」は正体を見せ始めました。
2. 実施した支援:バラバラの数字を「一本の線」に並べる
今回の「資金戦略診断」で行ったのは、社長の頭の中にある「予定」と「不安」を、すべて外に書き出すことでした。
- 情報の棚卸し: 進行中の案件、受注予定、外注費、人件費、借入返済、税金の支払いなどを一箇所に洗い出しました。
- 時間軸での可視化: AIも補助的に活用しながら整理し、いつお金が入り、いつ出ていくのかを月ごとの「一本の線(資金ポートフォリオ)」の上に並べ直しました。
AIは項目の洗い出しや確認漏れの防止には役立ちますが、最終的に大切なのは「育成期間が必要な人材か」「入金が遅い案件か」といった事業の実態に合わせた判断材料を整えることです。
3. 支援の結果:「借りられるか」から「回るか」への視点変更
数字と時期が見える化したことで、社長の経営判断は劇的に変わりました。
- 不安の「仕分け」: 「この月に外注費と返済が重なるから、採用時期を少しずらそう」といった、具体的で打ち手のある判断ができるようになりました。
- 確信を持った融資相談: 単に「お金が足りないから借りたい」ではなく、「借りた後の返済をしながら外注費を払えるか」「入金が1か月遅れても持つか」という根拠を持って、金融機関と向き合えるようになりました。
何より、不安をゼロにすることはできなくても、「不安を分けて、数字と時期に置き換える」ことで、社長自らが次の一歩を確信を持って踏み出せるようになったことが最大の成果です。
4. 当事務所が大切にしている「外部CFO」の立ち位置
行政書士事務所ACTIONは、単なる「資金調達屋」ではありません。
融資が通った瞬間はゴールではなく、むしろ返済や投資が始まる「スタート」です。
資金繰りは会社の動きそのものであり、社長の判断がすべてつながっています。
私たちは答えを押し付けるのではなく、「社長が自分で判断できるための材料を整えること」を何よりも大切にしています。
まとめ:まずは「入金と支払い」を並べてみることから
創業期の経営は、迷いの連続です。
もし、あなたが売上増の陰で漠然とした不安を感じているなら、まずは自社の入金と支払いを時間軸で並べてみてください。
不安は、見えるようになれば必要以上に怖がる必要はありません。
あなたの挑戦が、一時の勢いではなく、確かな足跡として続くように。私たちはその「整理」を全力でサポートします。