※守秘義務に配慮し、企業や人物を特定できないよう、規模・時期・金額など一部の情報を加工・変更しています。
創業融資を受け、案件も増えている一方、経営者が検討した採用・外注予定を3年間の入出金予定資料へどう反映するか整理できていない。
今回ご紹介するのは、創業後の事業拡大に伴い、ご依頼者が検討・決定した採用・外注予定と返済予定を3年間の入出金予定資料へ反映したIT受託会社の事例です。
ACTIONでは、創業融資の返済予定と、ご依頼者が検討・決定した採用・外注予定を、3年間の入出金予定資料へ反映しました。採用・外注・投資の判断や追加融資の可否判断は行っていません。
相談前の状況
相談者は、創業融資を利用して事業を始め、受託開発の案件を増やしていたIT会社の経営者です。
創業時に確保した資金はありましたが、案件数の増加に伴い、人員体制を見直す必要が出てきました。
今後の選択肢として、正社員の採用と外注先の拡大を検討していました。
一方で、創業融資の返済は続きます。顧客からの入金より先に人件費や外注費が発生するため、現在の預金残高だけでは、検討に必要な入出金予定を確認できませんでした。
経営者が感じていた不安や迷い
経営者が感じていた主な迷いは、次のようなものでした。
- 創業時に借りた資金で、今後どこまで対応できるか
- 採用後も返済を続けられるか
- 正社員と外注のどちらを選ぶべきか
- 検収が遅れた場合に資金が不足しないか
- 追加融資を検討するなら、いつ相談すべきか
- 売上が計画を下回った場合も会社を維持できるか
- 3年後にどの程度の現預金と借入残高が残るか
売上の見込みはあっても、入金時期が確定しているとは限りません。
人件費、外注費、返済は売上の入金を待ってくれないため、月ごとの確認が必要でした。
数字を整理して分かったこと
最初に、現在の預金残高と創業融資の残高だけを見るのをやめ、今後3年間のお金の動きを月ごとに並べました。
確認した項目は次のとおりです。
- 案件ごとの売上と入金予定
- 給与と社会保険料
- 外注費と支払日
- 創業融資の返済額
- 納税や賞与
- 採用費
- 設備・システム等への投資
- 採用後に売上へつながるまでの期間
整理すると、売上が伸びる計画でも、採用や外注を始めた直後は支払いが先行することを確認できました。
また、受託開発では、納品後の検収が遅れると請求と入金も後ろへずれることがあります。
そのため、予定どおり入金された場合だけでなく、検収や案件開始が遅れた場合も確認する必要がありました。
ACTIONが整理した内容
ACTIONでは、ご依頼者から提示された複数の予定案を、今後3年間の入出金予定表へ反映しました。
- 予定どおり正社員を採用する
- 採用時期を後ろへずらす
- 一定期間は外注で対応する
- 採用と外注を併用する
- 投資時期を見直す
- 追加融資を利用しない
- 必要に応じて金融機関への相談を検討する
それぞれについて、入金、支払い、返済後の現預金を資料上で整理しました。
また、ご依頼者から提示された次の変更案も資料へ反映しました。
- 検収が遅れた場合
- 案件開始が遅れた場合
- 外注費が増えた場合
- 採用後の稼働開始が遅れた場合
- 主要案件が終了した場合
計画どおりに進む場合と予定が遅れた場合を資料へ反映し、入出金が重なる時期を整理しました。
経営者が確認できるようになったこと
整理後は、経営者が採用や外注を判断するための確認資料として、3年間の入出金・返済予定を確認できるようになりました。
経営者が確認できるようになったのは、次の点です。
- 採用後に手元資金が薄くなりやすい時期
- 外注費を立て替える期間
- 創業融資の返済後に残る資金
- 投資予定を反映した場合の入出金状況
- 計画が遅れた場合に見直す項目
- 金融機関へ相談する場合に必要な資料
- 今決めることと、後で決められること
ACTIONは、採用・外注・投資の判断、追加融資の可否判断、金融機関との交渉・代理を行っていません。
実行する場合、時期をずらす場合、見送る場合の予定を同じ条件で入出金予定資料へ反映し、経営者自身が判断するために確認できる資料を整えました。
この事例から分かる一般的なポイント
創業融資を受けた直後は、口座残高が一時的に増えます。
しかし、その全額を採用や投資へ使えるわけではありません。
創業後には、次の支払いが続きます。
- 給与と社会保険料
- 外注費
- 家賃やシステム利用料
- 納税
- 借入返済
- 採用・教育費
- 入金までの運転資金
創業時の借入額だけでなく、返済開始後にいくら残るかを見ることが重要です。
また、IT受託会社では、受注が増えるほど人件費や外注費の先行負担も増えることがあります。
入金、支払い、返済、採用を一つの時間軸で確認する必要があります。
同じような状況の経営者が確認したいこと
創業融資後に採用や外注を増やす場合は、次の資料を集めてみてください。
- 創業融資の返済予定表
- 現在の預金残高
- 今後の案件一覧
- 案件ごとの入金予定
- 給与と社会保険料
- 外注費の支払予定
- 納税予定
- 採用・教育に必要な費用
- 投資予定
- 今後3年間の月別入出金予定
大切なのは、創業融資を受けられたことではなく、返済が始まった後も会社が無理なく回ることです。
ご自身で決定した創業後の採用・外注・投資予定を入出金予定資料へ反映したい場合は、② IT受託会社向け 創業後の入出金・返済予定資料整理をご確認ください。追加融資の実行や審査結果を保証するものではありません。