全国対応|支援事例集

IT受託会社支援を中心に、 関連する支援も含めて、資金戦略を実務でどう組み立てているかをまとめた事例です。

[1.資金戦略・財務顧問事例]

【支援事例】追加借入を迷っていたIT受託会社が、既存返済を含めて3年資金計画を見直したケース

IT受託会社専門|資金戦略を設計する行政書士・外部CFO型パートナー

はじめに

今回の相談は、追加借入をするべきか、採用を進めるべきかで迷っていたIT受託会社のケースです。

売上はありました。

案件の相談も増えていました。

外注先も確保できそうで、採用できれば、もう少し受注量を増やせる可能性もありました。

一方で、代表の方には違和感がありました。

「売上はあるのに、口座残高を見ると思ったほど余裕がない」

この感覚です。

既存借入の返済が毎月出ており、人件費、外注費、広告費も先に出ていく。

入金は、おおむね60日後。

案件は増えているのに、手元資金がなかなか厚くならない状態でした。

当初の相談は、追加借入を受けるべきかどうかでした。

ただ、最初に整理したのは、借入できるかどうかではありません。

既存返済を含めて、今追加で借りた場合に、3年後まで資金がどう動くかでした。

相談前の状況

この会社は、年商7,000万円前後の受託開発会社です。

既存借入があり、毎月30万円台〜40万円台の返済が続いていました。

案件の相談は増えており、代表は採用も検討していました。

外注を増やせば、さらに受注できる見込みもありました。

ただし、入金サイトはおおむね60日。

外注費は月末払いが多く、案件によっては支払いが先行していました。

つまり、売上が増えても、すぐに現金が増えるわけではありません。

むしろ、案件が増えるほど、先に出ていく外注費や人件費が重くなる可能性がありました。

最初に整理したこと

このケースで最初に確認したのは、次のような数字です。

現在の手元資金。

毎月の固定費。

既存借入の返済月額。

入金予定。

外注費の支払時期。

採用した場合に増える人件費。

追加借入をした場合の返済月額。

そして、3年後の借入残高です。

大事なのは、単に「いくら借りられるか」ではありません。

既存返済に追加返済が重なったとき、毎月いくら資金が出ていくのか。

採用した後、固定費はどのくらい増えるのか。

入金が60日後になる中で、外注費や人件費を先に支払えるのか。

そこを並べて見ないと、追加借入の判断はできません。

見えてきた問題

数字を並べてみると、問題は借入額だけではありませんでした。

追加借入をすれば、短期的には口座残高は増えます。

ただ、この会社の場合、既存借入の返済がすでに毎月出ていました。

そこに追加借入の返済が重なると、毎月の固定的な支出がさらに増えます。

さらに、採用を同時に進めると、人件費と社会保険料も増えます。

外注費も、案件によっては入金より先に支払う必要がありました。

つまり、追加借入をしても、採用、外注、入金サイトのズレが重なると、数か月後に再び資金余力が薄くなる可能性がありました。

ここで必要だったのは、借入を急ぐことではありません。

採用、外注、追加借入の順番を整理することでした。

3年資金計画で確認したこと

今回は、3年分の資金推移を確認しました。

特に見たのは、次の3点です。

1つ目は、追加借入後の返済月額です。

既存返済と合わせて、毎月いくら現金が出ていくのかを確認しました。

2つ目は、採用後の固定費カバー月数です。

採用した場合、現在の手元資金で毎月の固定費を何か月分まかなえるのかを見ました。

採用そのものが悪いわけではありません。

ただ、採用後に資金余力が極端に薄くなるのであれば、タイミングや人数、雇用形態を慎重に考える必要があります。

3つ目は、3年後の借入残高です。

短期的に資金が増えても、3年後に返済負担がどの程度残るか。

その時点で、次の投資や採用判断ができる状態なのか。

そこまで確認しました。

整理後の判断

整理した結果、すぐに採用と追加借入を同時に進めるのではなく、段階的に判断する形になりました。

まず、既存返済を含めた毎月の資金流出を確認する。

次に、外注費の支払時期と入金条件を見直す。

そのうえで、採用する場合に固定費カバー月数がどの程度残るかを見る。

追加借入については、その後の返済負担まで含めて検討する。

この順番で考えることになりました。

融資を受けるかどうかを先に決めたのではありません。

既存借入の返済を含めた資金構造を見たうえで、採用、外注、追加借入の順番を整理した事例です。

この事例で大事だったこと

今回のケースで大事だったのは、追加借入を否定することではありません。

借入が必要な場面はあります。

採用や外注を増やすために、先に資金を確保したほうがよい場面もあります。

ただし、借入は受けた後に返済が始まります。

既存返済がある会社では、追加借入によって毎月の返済負担がどう変わるかを見なければなりません。

IT受託会社の場合、売上と入金の時期がずれやすく、外注費や人件費が先に出ることもあります。

だからこそ、売上見込みだけで判断するのではなく、入金予定、外注費、固定費、返済額を並べて見る必要があります。

追加借入をするかどうか。

採用を進めるかどうか。

外注を増やすかどうか。

これらは、本来ばらばらに決めるものではありません。

資金の流れを見たうえで、順番を決めるものです。

まとめ

今回の支援では、追加借入を受けるかどうかを先に決めるのではなく、既存返済を含めた3年分の資金計画を整理しました。

その結果、採用、外注、追加借入を同時に進めるのではなく、資金余力を確認しながら段階的に判断する形になりました。

売上がある会社でも、入金が遅れ、外注費や人件費が先に出れば、手元資金は思った以上に動きます。

大事なのは、借りられるかどうかだけではありません。

借りた後も、採用や外注の判断を続けられる状態をつくることです。

同じように、追加借入や採用の前に、既存返済を含めた資金の流れを整理したい場合は、以下のページで支援内容を確認できます。

👉 https://office-action.com/service/group/service03/

※本事例は、実際の相談内容をもとに再構成したモデルケースです。守秘義務の観点から、一部内容や表現を調整しています。

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